博士・ポスドクの『転職体験記』
製薬メーカー 統計解析業務 (バイオインフォマティクス) のプロの転職
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- 前職
- 一部上場 製薬メーカー 研究開発部門 臨床試験 統計解析業務
一部上場 総合化学メーカー 医薬品部門 臨床試験 統計解析業務
- 現職
- 一部上場 総合製薬メーカー 研究開発事業部門 生物統計グループ 統計解析業務
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- 薮内 久興 氏 / 42歳
- 私立工学系大学 理工学部 情報工学科 卒
私立工学系大学大学院 理工学研究科 情報工学専攻 博士後期課程 修了
製薬会社への就職、そして業界再編
私は大学卒業後、就職先として日系の一部上場の製薬会社を選びました。私が配属された研究開発部門は、薬学・化学・生物学などの出身者がほとんどであり、私は工学系出身という異色の存在ではありましたが、入社当初からプロジェクトチームの一員として重要な役割を任せられ、充実した日々を過ごしていました。
私にとって最初の転機は、2000年代、製薬業界全体を襲った業界再編、統合・合併の嵐でした。日本は、世界の医薬品市場の10%を占める巨大市場にも関わらず、日本最大の製薬会社であっても世界の中ではトップ10に入れず、日本の製薬業界はグローバルレベルでは小さな会社がひしめき合っているという状況でした。また、欧米では合併により巨大な製薬会社が幾つも誕生しており、日本市場への進出を本格化させていました。日本の製薬会社はそれらを迎え撃つと共に、自らも世界市場に打って出る必要があり、グローバル展開を可能にするための規模の追及を目的として、内資系・外資系に関わらず、日本国内でも製薬会社の統合・合併が盛んに行われました。私が入社した会社もその例外に漏れず、入社早々合併を経験しました。
初めての転職
私は合併後も、グローバル開発を進めるプロジェクトなどに関わることができ、引き続き充実した会社生活を送っていました。しかし、合併によって会社及び研究開発部門は巨大な組織となり、またプロジェクトチームにおいても、各担当の役割は機能ごとに細分化されていきました。そのような中、ポジションが上がり、大きなプロジェクトに関わるようになるにつれて、ある一つの部分だけでなく広く研究開発全体に関わりたい、という思いが強くなってきました。また、合併という言わば受身的な環境の変化に身を置く中で、自ら積極的に環境を変えて新しいチャンレンジをしてみたい、という思いも日増しに大きくなっていきました。
そのような状況の中、知り合いの方から 「うちの会社に来てみないか」 というお誘いを受けました。その会社は数年前の業界再編の影響を受けておらず、企業規模も小さいものでしたが、言わばベンチャー的な文化を持っており、広く研究開発全体に関わることができるという私の希望に沿ったものでした。
私の周りで転職を経験している友人などから、転職エージェントから様々な案件の提示やアドバイスを受けながら、転職先を絞り込んでいくというプロセスも聞いていましたが、私のような転職方法もあるのだろうと思い、転職エージェントを介さずに、誘いを受けた1社のみで転職活動を進めました。知り合いの紹介ということもあって面接は順調に進み、多少時間は掛かりましたが、無事に内定を得ることができました。ただし、人事部から提示を受けた条件やポジションなどについては、交渉などもどうしてよいか分からず、提示のまま受け入れることになりました。
再転職への決意
新しい会社への入社後、ベンチャー的な文化は新鮮で刺激的であったものの、組織体制・意思決定の仕組みなどが、私が当初想定していたものとあまりにも異なっており、かなり戸惑いながら日々の業務に就いていました。それでも一大決心して転職したのですし、これは私の求めていた環境の負の部分、言わば副作用的なものであると言い聞かせていました。しかしその後、私を誘って頂いた方が会社を辞めることになり、これは正に青天の霹靂、私の大きな転機となりました。
このような状況の中、将来のキャリアを考えた時、今直ぐにではないにしても、転職を多少なりとも意識するようになっていきました。40代も中盤に差し掛かろうとしており、焦りのようなものもありましたが、転職からあまり時間が経っていないこともあり、自ら積極的に動くというよりは、まずは色んな話を聞いてみたい、自分のキャリアの市場価値を知りたいと思い、前回の転職ではお世話にならなかったエージェントに登録してみようと考えました。
これまでエージェントからの電話等で受身的にお話をすることをあっても、自らエージェントを選ぶということは初めてでしたので、友人の意見やネットを使って調べました。色々調べる中で、ライフサイエンス業界に強いということ、社名の通り幅広いネットワークを有しているということから、(株)エリートネットワークさんを選びました。多くの案件の提示を受けるため、複数のエージェントに登録する人も多いと聞いていましたが、まずは手探りという状況・心境ということもあり、一社だけの登録としました。
高橋さんとの面談
(株)エリートネットワークさんに登録後、すぐに担当者の方から連絡があり、会ってお話を聞きたいということでした。腰を据えてじっくりと進めていこうと考えていたこともあり、素早い対応に驚きながらも、直ぐにアポイントを取り、銀座の(株)エリートネットワークさんへお伺いしました。ご担当下さったのは高橋さんで、会社の中でもかなり上層の方であり、これは自分のキャリアの市場価値、業界の状況を知るには絶好の機会になると考えました。
最初のカウンセリングでは、私のこれまでのキャリア、現在の状況、二度目の転職を考えていることなど、全てをお伝えしました。高橋さんからは、40代中盤に差し掛かろうかという年齢、研究開発希望でありながら工学系出身という経歴などから、なかなか難しい転職活動になるだろうとのお話がありました。しかし、短時間のうちに私の転職動機を整理して頂きながら、面接時の具体的なアドバイスまでして下さいました。更に、高橋さんには、その転職動機に沿ったターゲットとなる会社像として、「ある程度の規模を持った専業メーカーであること」、「グローバルに事業展開していること」、「内資系企業であること」 を提示して頂き、その日のうちに合意することができました。
難しい転職活動になるという厳しい意見ではありましたが、前向きなお話もたくさん頂いたこともあり、その日は希望を持って(株)エリートネットワークさんを後にしました。実際に、厳しいものになるであろうことは自分でも自覚しておりましたが、最初に率直に伝えて下さったことは、その後自分を見つめ直すうえでも、とても有意義なものとなりました。
内定を得るまで
カウンセリングから数週間経った頃、高橋さんから、ターゲットとなる会社像に合致した会社から求人依頼があった旨の連絡がありました。年齢的には多少条件に合致していない部分はあるが、チャレンジしてみる価値はあるとのお話であり、私も即座に応募して頂くことをお願いしました。
その後、1週間以内に最初の面接が設定されました。高橋さんからは、うまく進めば直ぐに次回の面接が設定され、それが最終面接となる可能性もあり、しっかり準備して臨みましょう、とのアドバイスがありました。前回の転職ではエージェントを介さず、会社との直接のやりとりではありましたが、最初の面接が設定されるまでの時間や面接と面接の間隔も長く、また面接回数も多かったため、前回とは全く違ったスピード感に驚きながら、早速面接の準備に取り掛かりました。
最初の面接が終わると、直ぐに高橋さんから電話があり、面接官からのコメント、次回に向けてのアドバイスのお話がありました。面接官からのコメント・印象が直ぐに聞けたことは大変安心感がありましたし、フィードバックを直ぐに頂いたことにより、次の面接に自信を持って臨むことができました。実は、限られた面接時間のため、また細かい業務上の内容であったため、面接時には詳細を確認できなかった点が幾つかありました。
しかし、それを高橋さんに伝えると、直ぐに研究開発部門の担当者の方に連絡を取って頂き、疑問点・不安を解消することができました。このような点は、前回の転職活動時にはなかったことであり、エージェントにお世話になることの大きなメリットと感じました。
その後、最終面接も通過し、無事に内定を得ることができました。その後、条件やポジションの細部の詰めの交渉においても、高橋さんが丁寧に対応して下さいました。こちらから要求を出すことには少々抵抗もあり、なかなか言い難い点もありましたので、私の希望に沿った条件となったことは驚きでもあり、これもまたエージェントにお世話になることの大きなメリットと感じました。
おわりに
二度目の転職、また一層条件が厳しくなるという不安な中での転職活動でしたが、高橋さんの適切な、そしてタイムリーなアドバイスのお蔭で、無事内定を頂くことができました。何よりも、最初に(株)エリートネットワークさんにコンタクトを取ってから、約3ヶ月で内定を頂くことになったスピード感には大変驚かされました。また、高橋さんには、内定後にお話する機会を設けて頂き、そこでビジネスの興味深いお話やこれまでの幅広いご経験のお話を聞かせて頂き、これからのビジネスライフにおいて、参考になるご示唆を数多く頂きました。本当に、(株)エリートネットワークさんにお世話になって良かった、高橋さんに担当して頂いて良かった、と感じています。
今転職を考えている皆様、またこれから転職を考える皆様には、転職活動をスムーズに、スピード感を持って進めていくことは勿論、転職マーケットに於ける自分の現状や業界の現状を知り、見識を広げるためにも、(株)エリートネットワークさんにお世話になることをお勧めします。
以上
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