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博士・ポスドクの『転職体験記』

任期満了を控える分子生物学のポスドク33歳男性。社会のイノベーションに貢献しようと専門外の分野に挑み、学術的なコンサルティングが強みのコンサル会社へ

Information
  • 転職体験記
    • 高宮 盛人 氏 / 33歳
    • 愛媛県立 松山南高等学校 理数科 卒
      岡山大学 薬学部 創薬科学科 卒
      岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 薬科学専攻 修士課程 修了
      総合研究大学院大学 生命科学研究科 生理科学専攻 博士課程 修了
      博士(理学)
      研究テーマ:タンパク質の立体構造変化と機能の研究
      TOEFL 73点

① 博士課程進学の志

岡山大学薬学部の3年生で構造生物学の研究室に入り、本格的に研究を学び始めました。タンパク質の立体構造の研究手法を勉強し、得られる生物学的な知見に感銘を受けました。その時点で「博士課程に進学して研究というものをもっと深く理解したい」と考えていました。

同じ研究室で修士課程まで修了したのち、タンパク質の構造学的な面だけでなく、機能の解析手法も学びたいと考え、総合研究大学院大学の基盤機関である生理学研究所の博士課程に進学し、イオンチャネルなどタンパク質の機能解析について研究しました。
博士号を取得する過程で、専門的な知識と学術経験を持つ人材へと成長できたと自負しています。

② 博士修了後の経験、体得したスキル

博士号取得後は、そのまま生理学研究所の研究室にて博士研究員として雇用していただき、博士課程で行った研究をさらに深め、国際学術論文を筆頭著者として発表することができました。これらの過程で、電気生理学的な機能解析手法や、蛍光分子、共有結合性の試薬を用いたタンパク質の立体構造変化の検出手法を体得しました。

研究室には留学生が在籍しており、日常的に英語でコミュニケーションを取っていたため、自然とビジネスレベルの英会話力を身に付けることができました。また論文執筆経験により、自身の出した成果や研究の魅力を論理的に、分かりやすく伝える力も磨かれました。さらに研究成果を国内外の学会やシンポジウムで発表する機会も多くいただいたため、日本語や英語でのプレゼンテーションを大勢の前で行うスキルや度胸も培われました。

博士研究員の任期満了に伴い、名古屋大学大学院医学系研究科に特任助教として採用していただきました。そこではゲノム編集システムを用いた遺伝子治療法の開発に携わり、どうすればゲノム編集の効率を増大させることができるか、日々研究に励みました。
研究室ではメンバー全員が大きな一つのテーマや目標を共有し、達成のためにそれぞれの経験やスキルを活かすという、チームでの研究に取り組みました。私の研究経験は特異なものであり、自分の知見や長所を活かしつつ、他のメンバーと協力して成果を出すことの魅力を体感することができました。新しい治療法などの技術を開発する上で、特許や先行研究のリサーチを行うことの重要性も学びました。

③ 今回転職に至った理由

研究者として様々な学術経験を積みましたが、その間に新型コロナウイルスの蔓延などにより社会は大きく変化し、「イノベーション」がより叫ばれるようになっていました。私も培ってきた知見を最大限に活かし、幅広いイノベーションに携わりたいと考えるようになりました。
元来、好奇心旺盛であることも影響し、学んできた薬学や生物学の分野だけでなく、発展の目覚ましい環境分野や人工知能など多様な領域について学び、イノベーションの創出に関わりたいと強く感じました。

自分が研究に取り組む中で、最もワクワクしていたのは、データや文献から得られる情報をもとに考察を深め、周囲の方々と議論する瞬間でした。議論によって自分の考えを伝えたり、他の人の意見を聞いて新たな発見を得たりすることに一番楽しさを感じていました。
こうした考えから、「徹底的に調査し、議論して、幅広い分野のイノベーションの手助けをする」ような職に就くことができたら、自分の力を最大限に発揮できるのではないかと思い、転職を決意しました。

④    転職活動で重視した点、こだわりを捨てた点

今回の転職活動で最も重視した点は、「就職先の企業で自分が活躍するビジョンを持つことができるかどうか」です。
学術機関で研究活動に従事してきた私にとって、事業会社で利益を上げ、会社を発展させるミッションを背負って働くのは、未経験のことです。一方で、さまざまな企業の求人情報を拝見する中で、「この職務内容なら学術的な経験、特に博士号を取って研究者として働いた経験を強みとできる」と感じる会社もありました。そういった求人には積極的に応募し、面接で詳細を伺う中で、自分が活躍できそうかを深く考えました。

また、最大限活躍するには当然モチベーションが必要です。上述のように、調査や議論にやりがいを感じる私は、最先端の研究や事業の立ち上げに挑戦する方々を顧客とし、当該分野の最新の状況を把握して、顧客の方々と話したり議論したりすることに最も働きがいを感じると思い、そういった職に就きたいと強く願いながら転職活動を行いました。

そして人生を考える上で、やはりお給料も極めて重要です。いくらやりがいを感じていても、仕事で壁にぶつかったり、なかなか思うようにいかなくなったりすることはどの職業でもあると思います。
その際に大事なのは、いかにリフレッシュするかだと思います。仕事がうまくいかないときに生活も苦しく、逃げ場がないような状況では心身が疲弊して、やりがいを抱く気持ちも薄れていってしまいます。ゆえに、自分の経歴やスキルを高く評価してくださったと感じられるお給料を提示していただけるかも重視しました。

半面、こだわりを捨てて柔軟に考えようと心がけたことは、研究者としての専門分野や、特定の実験手法に関するスキルについてです。これは学術的な経験を最大限活かすという考えと矛盾するように思えますが、多くのイノベーションが創出されていく現代において、特定の分野や技術に関する経験そのものというよりは、専門的な知識や技術を総合的に会得する方法を身に付けていることが重要と考え、それが新しい分野にも果敢に挑戦できる力だと捉えました。
求人情報や面接で伺った内容が、特定の研究経験とマッチしていると感じた際にも、一歩引いた視点で俯瞰し、「自分が実際に就職して数年後、数十年後、高いモチベーションを持ちながら、挑戦を続けていられるか」を想像して転職活動を進めました。

⑤    転職活動での学びと反省

民間企業の面接を受けることが初めてだった私にとって、面接の準備は慣れないことも多く、はじめはスムーズにいかないこともありました。
その中で(株)エリートネットワーク様の転職カウンセラーの篠原様、境様には、たくさんのお力添えをいただき、面接に関してのみならず、人として自信を持つことができました。経歴を整理して、長所や短所を言語化し、いかに志望先の企業に自分がフィットするかをアピールする過程で、自分自身を客観視することができましたし、33歳という年齢でそれができたことは、人生の大事な転換点だったと思っています。

これまで学術機関で研究に取り組む中で、自分の長所は「議論する力」だと感じてきました。その力は日々の学習や、先行研究の調査、様々な方々との議論の経験によって裏打ちされていると思っていました。もちろんその要素も大きいのですが、今回の転職活動を通じ、議論とはコミュニケーションであり、プライベートを含めた日々の会話によっても力が培われていることを感じました。
また民間企業で顧客の方々をサポートする業務は未経験ですが、その点にあまり不安を感じず、むしろ自信を持って挑戦しようと思えているのは、これまで出会った方々との日々のお陰だと気付きました。この気付きから、毎日を大切に過ごすことの重要性を改めて感じました。

そして転職活動を行う中で、仕事をする上での「心」や「気持ち」の大切さを学びました。タンパク質などを専門とする日々の研究業務では、人の気持ちを考える機会はあまり多くありませんでした。議論をする上で言い方などに気を遣うことはあっても、議論自体はデータに基づいた淡白なものが多かったように思います。
転職活動で私が志望した、イノベーションを起こそうとする方々をサポートする業務では、顧客の方々の夢や不安など、感情的な部分も深く理解することが重要です。相手の気持ちを考える力の重要性を再認識し、面接でうまく振る舞うためにもそれは必要であると感じました。面接官の方がどのような疑問を持って質問しているのか、事前に想定する上で、相手の立場で自分をみることを何度も試みましたし、その過程で客観的な視点を磨くことができました。

また面接官を担当する方の情報が事前に分かっている場合にはその方の立場や役職に合わせて、自分の質問を考えることも大切だと学びました。現場にいるマネージャーの方であれば、チームのことや働く上で特に意識すべきことなど、実務的なことを聞き、社長などの企業のトップ層の方であれば、会社の展望や社会変化への対応など企業全体のことを聞いて、各面接において情報量の多い会話をすることができました。そうすることで自分がその企業で働く姿や、何を求められているかがイメージしやすくなり、内定承諾の際には大きな判断基準となりました。

反省点としては、特に転職活動当初はオンライン面接に慣れていなかったため、ベストなパフォーマンスを発揮できないことがあったことです。基本的には自宅でオンライン面接を受けましたが、経験が浅いうちは照明や採光の調節、空調の音が入るか等のチェックに戸惑いました。エリートネットワーク様のサポートやアドバイスもいただいて、適切な準備を行い、面接に臨めるようになりましたが、対応をもっと早くにやっておくべきだったと反省しています。リモートシステムを頻繁に活用する企業に転職するので、私にとって大変貴重な学びとなりました。

⑥    次の職場に懸ける意気込み

最も強く志望していた企業に入社させていただくことになり、非常にワクワクしています。学術的なコンサルティング業務は私にとって新たな挑戦であり、入社後は先輩方から多くを学んで、早く一人前になれるよう努力します。これまでなかなか経験を積むことができなかった、ソフトウェアやプログラミングを用いた解析も習得し、新たな自分の強みとすることで、活躍の幅を広げていけたらと考えています。

入社する企業は現在規模を拡大中で、成長している段階です。そのダイナミズムが感じられる重要な時期に入社できることに、縁を感じていますし、会社の成長に大きく貢献できる人材となれるよう、責任感を持って日々の職務に邁進したいです。
多様なコンサル案件に関わりつつ自分の持ち味を活かすコツのようなものを見出していきたいと思います。
また学生時代の部活動などの経験から、チームプレーやコミュニケーション力には自信があるので、新たな仲間となる方々と早く打ち解けて、チームワークの醸成にも貢献したいと思います。チームでそれぞれが長所を発揮し合えば、一人では決して成し得ないような大きな成果を生むことができると思いますし、なんといってもみんなで喜びを共有できることは大変魅力的です。

研究職の任期満了も考えて始めた転職活動ですが、これまで自分が経験してきたことの全てが、転職先の仕事につながっているような気がしています。遂に辿り着いたという感覚があり、今こそ辿り着くべきタイミングだったと感じています。
転職先の会社と私を引き合わせ、多大なるサポートをくださったエリートネットワーク様に心から感謝しています。新天地で活躍することが、恩返しになると信じ、精進してまいります。

転職体験記に記載されている氏名は、ご本人のご要望により仮名を使用している場合があります。

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