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博士・ポスドクの3つの弱点を補うレクチャー

弱点1:  企業との採用面接に不慣れである

博士・ポスドクの方々は、大学卒業時は言うに及ばず、修士課程修了時に於ても、一般的な “就活” に参戦して来なかった方が多いことは、想像に難くありません。
言う迄もなく、22歳・23歳の新卒の大学生とは異なり、20代後半から30歳を過ぎた年齢に達している博士や、ポスドクに対して、企業が求める素養や専門性、或いは、人としてのマチュリティー等のレベル感は、当然違って参ります。よって、以下の様な様々な疑問が次から次へと心の中に生じて来るのではないでしょうか。

  • ・通常、面接の場では、どんな質問をされるのだろうか?
  • ・研究生活については、どこ迄深く聞かれるのだろうか?
  • ・アカデミアを飛び出して民間企業で働きたい理由を問われても、うまく答えられないかも?
  • ・やりたい事は何かと聞かれても頭の中で明確にまとまっていないのでどうしよう?
  • ・声の大きさはどれ位が適切なのだろうか?
  • ・昨今カジュアルなスタイルのビジネスパーソンも増えているが、面接当日の服装は?
  • etc.

株式会社エリートネットワークでは、1997年の創業以来長年高学校歴の方々の転職支援を数多重ねて来た実績(1500名の「転職体験記」)から、 博士・ポスドクの方が共通して抱く疑問やモヤモヤをカウンセリングの場 (来社でも、リモート でも可)で、じっくりと時間をかけて、解説すると共に、氷解する様、話し方を含め面接対応が合格点に達する迄、お付き合い致しております。

例えば、博士・ポスドクの方々にとってのみならず、一般の転職者の方々にとっても最も手強い質問の1つを挙げてみましょう。
「業界・業種として電気メーカー(化学メーカーもしくは機械メーカー)を志望なさっているのはよく理解致しました。ただし、我々の電気業界(化学メーカー・機械メーカー)の中で、なぜ当社を第一志望とお考えになっておられるのでしょうか?」
上記の質問に対しては、その場での思い付きや単なるヒラメキだけでは、絶対に太刀打ち出来ないでしょう。

ご自身のアカデミックバックグラウンドに照らせば、ご本人が電気系の学位をお持ちであれば、必然的に電気、機械系のバックグラウンドであれば、それを活かしたいor活かし易いと考え、電機業界を志望しましたとか、機械業界を第一に考えていますと応答すれば、ほぼ面接官の納得を得られることでしょう。
しかし、「では、数ある同業の中で、なぜ当社が第一志望なんでしょうか?」と問われた場合、充分に事前準備し切れていなければ、その瞬間にフリーズしてしまう事は、目に浮かびます。

この問いに対するエリートネットワークが考える最適解は、こうです。
事前に充分な時間をかけて、応募先企業のHPや上場している企業であれば、有価証券報告書やIR資料を精読し、出来ることならば、就活用の大学ノートを1冊用意し、重要な項目や大事な数値並びに心から共感した方針や経営理念、社長、役員さんのコメント等を記入しながら読破なさって下さい。

尚、一度だけ読んでみても理解が深まらない場合には、2~3度繰り返し精読下さい。加えて、企業が設ける展示施設や記念館、歴史・資料館、製品、その他附属施設や店舗にも足を運んだり、可能ならば、触れてみて下さい。

そのプロセスを通して、必ず、1つや2つ、多い時は3点も4点も心底共感&納得出来、いわゆるビビビ!と来るフレーズや文言に出会う筈です。(これは、人それぞれ異なっていても全くOKです。)その本音でビビビ!と来た感覚は、ご自身の心の雄叫びとしてストレートに発言して貰えれば充分に論理性と熱量を以って面接官に伝わる事請合いです。

この最も難易度の高い質問に自分自身の言葉で話す事が出来れば、それ以外の想定問答は、当社の転職カウンセラーと気軽に模擬面接や遣り取りの訓練を積んで貰うだけで、もう百人力だと解釈下さって結構です。

弱点2:  各企業の事業内容を詳しく知らない

各企業の広報活動やTVやネットのコマーシャルから窺い知る企業イメージと実際にどんな事業を行っており、どの様な製品を生み出しているのかという実態の認識に関しては、相当な乖離があるものです。
更に、各企業の主力事業は知っていても、2番目、3番目の柱となる事業に迄は、想いが至らないことが普通でしょう。

現に、HONDAブランドで有名な本田技研工業株式会社は誰しも自動車、オートバイ(世界一の台数)を作っていることはご存知であっても、小型ジェット機(世界首位)、芝刈機(世界首位)、共に国内シェア首位の発電機や除雪機、そして船外機の製造も行っている事実は、あまり認知されていません。
更に、創業時は繊維メーカーが今では化学会社に、元石油化学メーカーが製薬・農薬会社に、光学メーカーが半導体企業に、専門商社から製造業に等々、大きく業態転換している例は、枚挙にいとまがありません。

よって、今迄まとまった時間を費やしての企業研究や業界研究のみならず、一般的な就職活動や会社訪問、インターンシップ等の経験が浅いまま、30歳前後を迎えた博士・ポスドクの方々は、さあこれから就職活動を始めるぞ!と思い立ってはみたものの、企業研究に対して何から手を付ければ良いのか皆目見当がつきかねる事も多い筈。

そこで、株式会社エリートネットワークは、カウンセリングの場に於て、博士・ポスドクの方々の個別の経歴や研究内容、加えてご本人の志向や希望等も踏まえた上で、どの企業のどの部門、どのメーカーのどの研究所・事業所・製造拠点、或いは、本社部門のどの様な部署であれば最良の活躍の場となり得るのか、各企業からの求人依頼の背景や求人票と共に丁寧に案内させて頂くことになります。

その上で、各企業の中・長期の経営計画や研究開発に賭ける意気込みに加え、社風や組織風土並びに実際に正社員として長期就労が見通せるか等の雇用慣行にも言及させて頂き、安心感を持って頂いた上で、応募に駒を進めるという手順を踏んでおります。中には、初めての民間企業への正式応募は、腹が括れていなくて、若干ためらわれるという博士・ポスドクも今迄何人もおられましたので、そういう場合には、インターンシップへの参加や企業の人事部もしくは、事業部門の博士号取得者の社員の方等とのざっくばらんな “カジュアル面談” という場をご用意して、徐々に企業理解及び職務内容の認識を深めて行くという方法をご提案することも可能です。
この様な件も、遠慮なくご相談下さい。

弱点3:  企業側の採用基準・選考基準を良く知らない

博士・ポスドクの採用を積極的に行っている企業は、当然、博士・ポスドクの方々のアカデミック・バックグラウンドに根ざした深い知識や実験・研究活動によって培われた専門性を重視なさっている事は紛れもない事実です。
学部卒生及び修士課程修了者に比して、相対的に学問的専門性が高い点には誰しも肯首するでしょう。
ところが、従前からそして現在も、「文系であれば尚更、理工系であっても修士卒であればなんとかなるけど、博士課程まで進んでしまうと民間企業への就職は困難になる!」と巷間言われ続けています。

ではなぜ、より専門性の高い所謂 “金の卵” である筈の博士・ポスドクが、肝心要の就職活動に於て苦戦するのでしょうか。

その理由は、一般的に博士・ポスドクの方々が、齢30歳前後に至る迄就職活動の類に距離を置いて来られた結果、ご本人がイメージとして思い込んでいる企業側の採用基準と実際に企業側が設けている採用基準との間に頗る大きな “ズレ” が生じたままになっているからであります。

そのズレを具体的に挙げてみると、

●博士・ポスドクが抱いている採用基準
博士・ポスドクを採用する企業側の採用基準は、博士号を有している訳だから、アカデミアで培った専門性の高さそのものの比重が採否の大部分を占める筈。
各面接の場での受け答えのテンポや、人物的な側面(明朗さ、積極性、物の見方・考え方の柔軟性、行動の素早さ、内面的なエネルギー、周囲のメンバーとの融和、組織内での共感性、入社当初はリーダーシップではなく逆のフォロワーシップ等)は、二次的なものであろうという予断。

入社後の仕事内容に関しても、着任当初から自分が志向する従前と同様の研究テーマを与えられ、近しい研究環境を供される事で、力を発揮して行く事が求められているだろうという予測。

●それに対して、スバリ企業側の採用基準
各企業の人事部は、博士・ポスドクに対しては、アカデミアで培った学術的専門性もさることながら、大学の研究室と比べ企業という大きな組織に属することになるので、いち組織人として、新たにタテ・ヨコ・ナナメの人間関係を円滑に構築が出来る事。
時には利害関係が対立する立場の人とも対話を通して合意形成が可能なレベルのコミュニケーション力や大人度の高さの有無、と云うほとんどの企業が抱えている懐疑的な見方は、正に人としてのお人柄や人間力を重視しているからです。

22歳・23歳で入社して来る新卒に比べて、実年齢を重ねていればいる程、人としての柔軟性や心のしなやかさが低下しているのではなかろうか?うまく組織に馴染めるだろうか?社内を見渡してみて現状組織としてうまくまわっている各部署・各部門に配属直後に、当人が無用のハレーションを惹起してしまわないか?という点は、人事部門のみならず、配属予定部門の責任者や管理職双方の抱く共通の懸念なのであります。
年齢を重ねる事で、考え方が凝り固まっていたり、妙なプライドが邪魔したり、民間企業として健全に収益を上げてゆく方針に対するへジテーションがあるならば、着任後のオリエンテーションや導入教育を通しても覚醒して貰えない or 気付きを得る迄に長期間を要するのでは?という懸念なのであります。

要するに、初の民間企業への就労に際し、業務内容そのものにキャッチアップするのに多少長目の時間を要する場合には、相応の猶予期間を与える心づもりは有っても、人物的な側面や性根・メンタリティー等を入社後初期化して、再教育するなんて事は甚だハードルが高くむずかしいと考えているのです。

更に付言すれば、博士・ポスドクの方々の応募書類を基に研究内容やアカデミック・バックグラウンドを精査すれば、会わずとも書類選考の時点で、入社後の想定ポジションや実務にキャッチアップし、貢献出来る専門性を具備しておられるか否かの点の方は面接前でもある程度察しがつくものです。

但し、人物的側面は、書類をどれだけ精読しても見極めは難しく、ソフトランディング出来そうか否かは実際の対面での面接の場での判断に委ねざるを得ないのです。
30歳前後の博士やポスドクの場合、人物的・人間的なマチュリティー度合いこそ、採用面接の時点で、入社後即戦力レベルを満たすと判断される事が必要最低条件となってくるのであります。
とりわけ30歳超の年齢に達した博士・ポスドクの方々に対しては、併せて世に言う管理職適性の優劣も視野に入れざるを得ません。つまり近未来に於て、ご本人よりも若手の社員や部下を育成面も含め安心して託すことの出来る “器” とか “度量” という定性的な感覚値も面接官共通の尺度となっている事も明記しておきます。

また入社後の仕事内容そのものに関しては、アカデミアから別のアカデミアに移る場合や他の公的研究機関への移籍であれば、同様の研究テーマの継続は可能であるでしょう。
アカデミアから民間企業に移る場合は、人事部は配属に関し博士・ポスドクがアカデミアで培った専門性や知見を極力発揮し易い様に、最大限の配慮はすることでしょう。
しかし、場合によっては、当座の人員計画上、自らの専門性を有する両隣の分野や、当初専門性を全ては活かせない業務にアサインされた場合でも、一旦受け入れた上で一定期間は、励んで欲しいと考えているのであります。

この様な組織編成・人事・配属に関する従前からの雇用慣行に対しても、民間企業内での新入りのビジネスパーソンであるという自覚と同時に博士研究者としての矜持とにうまく “折り合い” を付けられる大人度の高さや現実的な対処は必須と言えるでしょう。