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博士・ポスドクの『転職体験記』

国家公務員一般職女性。博士号取得をきっかけに、年商1兆円のプライム上場化学メーカーへ

Information
  • 転職体験記
    • 柳原 小春 氏 / 31歳
    • 国立大学 工学部 卒

① 新卒での就活

あまり社交的ではない性格で、子供の頃から研究者になりたいと漠然と考えていました。
当時はニュース等で再生医療が活発に取り沙汰されていたこともあり、なんとなく医学系の大学に進学したいと考えていましたが、お世辞にも勉強ができる子ではなかったため、大学は実家に帰りやすい関東圏内で、学力に見合った大学の工学部を選びました。
研究室に入ってからはインターンシップ制度を利用して研究機関にも在籍し、高分子材料について研究していました。
そして何も考えずにエスカレーター式に博士課程まで進学してしまいました。

そのままポスドクとして大学に残る道もありましたが、「パーマネント職に就くためには実力だけではなく強運も備えていないといけない」と言われていました。
実際、実力はあっても任期付きのポストを転々とせざるを得ない理不尽な立場に置かれている人も見てきました。

就職について悩んでいた時、知人から公務員になることを勧められました。
公務員には技術系の職種もあり、理系人材にとって非常にやりがいを感じられる仕事があると教えてもらいました。
公務員には真面目な事務系の仕事か、外交官のような華やかな仕事しかないと思っていましたが、技術系の仕事もあると知って興味を持つようになりました。
複数の公務員試験を受験し、国家公務員一般職に合格しました。
大学で学んだことを活かせる仕事に就きたかったので、化学分析に携われる前職を選びました。

当時、大学での研究が上手く進んでおらず、内定後のわずかな期間で学位論文を仕上げる自信がなかったこと、公務員大卒程度で入職するため博士号を持つ意味がなかったこと(逆に、持っていると責任を負わされそうで嫌だなと思ったこと)、「アラサー女・職歴なし」という状況に対するフワッとした焦りのようなものから、10月採用で入職することを決め、大学は満期退学しました。

② 入職した機関での担当業務

前職では中央省庁が所管する法令に基づく立入検査や、立入検査でサンプリングした試料中に含まれる有害物質の化学的分析を行い、基準値を満たしているかの確認を行っていました。
一口に“ 化学 ”といっても、大学で学んだこととは分野が異なり、慣れるまで苦労しました。
前職の業務量は一般的でした。
報告期限が短い分析を担当した時は遅くまで残業することもありましたが、定時で帰れる日もあり、特に不満はありませんでした。
技術系公務員らしく調査・研究業務を担当する機会もあり、ワークライフバランスの取れた日々を送っていました。
陰ながらではありますが、人々の安心・安全を守ることにつながる仕事だったので、やりがいを感じることも多かったです。

職場環境としては、公務員というだけあって産休・育休はもちろん、配偶者の海外赴任帯同のための休暇、テレワーク勤務、フレックス勤務制度等、働き方改革の考えが浸透しており、この上なく働きやすい環境だったと思います。
数百人規模の組織なので色々な人はいましたが、年次の近い同僚は真面目で明るい方が多く、楽しく仕事ができ、文句の付けどころがない職場でした。

③ 今回転職するに至った背景や理由・きっかけ

転職を考えるようになったきっかけは、博士号を取得したことです。
前職の上司が博士号を持っており、入職当初から顔を合わせるたびに学位取得を勧めてきました。
当時は、前述の通り余計な責任を負わされたくなく、世間一般でイメージされるような公務員らしいスタイルで働きたかったため、アホなことに2年も拒否し続け、目の前の仕事に逃げていました。
公務員は2~3年に一度転勤があるため、しばらくすれば自分も上司も転勤となり、学位のことは忘れて自分のことだけ考えて生きていけるだろうと安易なことを考えていました。
そんな折、上司から転勤を言い渡されましたが、なんと転勤先の上司からも学位取得を勧められ、もはや背水の陣であることを思い知らされました。
正直なところ「このままぬるま湯に浸かっていて良いのか」という思いは常に頭の片隅にあったため、近くに尻を叩いてくれる人がいたのは幸運なことでした。
来たる吉日、意を決して学生の時の指導教員に連絡を取り、もう一度頑張らせて欲しい旨を伝えました。
ありがたいことに快諾下さり、そこから半年かけて博士論文をまとめました。

博士論文では大学時代の成果をまとめました。
学位審査は新規性や独創性を認めてもらう場であるため、自分の研究の優れた点をアピールするのですが、そうしているうちに大学でやっていた研究が世界で一番面白いと自己暗示され、自然と「自分の専門分野に近い仕事をしたい」と考えるようになりました。
もちろん上司からするとこのまま前職で頑張って欲しいと望んでいたと思うのですが(そう願っているのですが)、公務員は法律により業務が決められているため、もどかしさを感じる場面が増えてきたのも転職を考えるようになったきっかけの一つです。
今振り返ると、ずっとモヤモヤを抱えながら働いていたなあ……と思います。

転職先は民間企業から探すことにしました。
理由としては、アカデミックの研究機関に移るのは後ろめたさがあること。
大学も考えましたが、人に何かを教えられるほど世の中のことを知らないこと。
どうせだったら、私には務まらないだろうと敬遠していた民間企業でチャレンジしてみようと思いました。
普通はストレートなら高校卒業(18歳)、大学卒業(22歳)、修士修了(24歳)のタイミングで働くかどうか自分で決めるのでしょうが、私の場合は流れに身を任せ過ぎており、この歳(31歳)になってようやく自分で考えて決断できたと感じています。

転職活動については、博士人材や公務員にありがちかもしれませんが、まともに就活すらしたことがなく、何から始めたら良いのか分からない状態からのスタートでした。
初めは大手転職サイトを検索し、どのような業界にどのような職種の募集があるかをただただ眺めているような期間が1か月くらいありました。
モヤっとしたものは抱えていましたが前職に大きな不満はなく、公務員という安定を捨ててまで職を変えるメリットがあるのか、自問自答していました。
そんなある日、「博士転職」で検索したところ、(株)エリートネットワーク様のホームページ『博士就職・転職ガイド』に辿り着きました。
ザっと見た感じ、白目を剥きそうなくらい雲の上の他人事といった感があり、ちょっと敷居が高いかなあ……と思いましたが、他のエージェントとは一味違うとも感じ、勇気を出して登録してみました。
当時を振り返ると、一種の賭けのような気持ちと、自分の今の状況を変えたいという思いがありました。

④    こだわり

絶対に譲れない!という程ではないのですが、①収入、②業務内容、③勤務地は条件としてありました。
生活に困らないお給料をもらえる会社で、大学や前職で得たスキルを少しでも活かせるような職務に就きたいと考えていました。
同じような業界で働いていれば、お世話になった方々とまたいつか仕事上で関わりを持てる時が来るかも、という思いもありました。
勤務地については、当初はパートナーがいるので可能な限り現住所に近い場所を希望していました。
しかし、あまり悠長なことは言っていられないですし、他県含めてなるべく広範囲に可能性を広げたかったので、パートナーと一緒に住むという従来のこだわりは捨てました。

⑤    転職活動の流れ

登録から数日後、事務局からご連絡を頂き、担当となる転職カウンセラーの久井様との面談の日程を調整して頂きました。
最初の面談では、私の実生活の現状を含め、転職を考えるに至った背景などをじっくりヒアリングして頂きました。
正直100%転職しようと決めて面談に臨んだわけではなく、少し迷っていた部分もあったのですが、久井様から「柳原さんの場合は転職したほうが良い」とハッキリ言って頂いたことで、転職への気持ちをかなり前向きなものにできたと思います。
面談を通して履歴書や職務経歴書を添削して頂き、登録から2週間後には企業へ応募できました。
その後、1週間程度で1社から書類審査を合格した知らせが届き、数回の面接を経てとんとん拍子に内定を頂くことができました。
応募してから内定までは1か月程度で、精神的・肉体的な消耗を最小限に抑えることができました。
比較的短い期間で転職活動を終えることができたのは、久井様の的確なアドバイスと企業様への猛プッシュのお陰です。

⑥    エリートネットワークを利用して良かったポイント

1.    プロから書類を添削してもらえる点
まともに就活したことがない人にとって、多くの輝かしい転職を成功させてきたプロのエージェントに各企業へ提出する書類を添削してもらえるのは大きいポイントかと思います。
プロの目が入るのと入らないのとでは書類の出来映えが全然違うと思います。
もし私一人で書いた履歴書や職務経歴書を使って転職活動していたら、書類選考の時点で箸にも棒にもかからず、転職活動が長期化し、何なら途中で挫折していたであろうことは容易に想像がつきます。
2.    希望する業界の内情に詳しい担当者がいる点
担当の久井様はメーカー出身で、私の希望していた業界の内情にお詳しい方でした。
面談では久井様の前職での体験談を交えながら、私の転職の最適解を一緒に考えて下さいました。
後日、紹介可能な企業の一覧を提示して下さったのですが、想像していなかった企業で、しかも私の適性に合うような企業を紹介して下さいました。
3.    企業との調整を代行してもらえる点
働きながらの転職活動だったので、企業とのやりとりを代行してもらえるのはありがたかったです。
一人で全部やっていたらパンクしてしまうだろうと思います。
しかも採用面接の後に毎回反省会の電話をしてくれました。
面接で緊張して訳の分からない事を言ったり、言い忘れた事があったりしても、きちんとエージェントから都度企業へフォローして頂けるので心強かったです。おそらくこれが一番大きなポイントかと思います。

⑦    次の職場に賭ける意気込み・覚悟

私は仕事に役立つ資格は一つも持ってないですし、他の人より優れた能力があるわけでもありません。
性格的にもどちらかと言えばダメ人間の部類ですが、何とか転職できました。

これから単身での生活が始まりますし、初めて民間企業で働くことになります。
生活環境も職場環境も大きく変わり、不安な気持ちも大きいですが、新しい環境が楽しみな気持ちもあります。
転職は人生の中でも大きな転機になると思いますが、仕事に関して困って悩むことがあれば、エリートネットワーク様のような専門家集団に頼ることも一つの手かと思います。
私の場合は利用して本当に良かったです。ありがとうございました。

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