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博士・ポスドクの『転職体験記』

博士号の証券会社クオンツ、世界的メーカーのAIを活用した新規事業のリーダーに

Information
  • 転職体験記
    • 河内 順太 氏 / 40歳
    • 私立大学系属学校 高等部 卒
      私立大学 理工学部 卒
      旧帝国大学大学院 博士課程 修了
      証券外務員一種
      JDLA Deep Learning for GENERAL 2019#2
      Fortran, C, C++, python などを用いたソフトウェア開発経験 (13年)
      スカラー型/ベクトル型スーパーコンピュータ活用経験 (11年)
      大規模データ解析技術 (9年)
      オープンソースソフトウェア開発経験 (9年)
      OpenMPとMPI によるハイブリッド並列化技術(6年)

この度、エリートネットワーク社様の転職カウンセラーである梨本さんのご尽力のおかげで、素晴らしい転職先に入社することができました。転職を決意した時の年齢が40歳を超えており、また職業柄、転職回数が多いという不利な条件の中、転職活動は苦労しました。

雑文ではありますが、その経験を『転職体験記』として記したいと思います。皆様が転職なさる際に少しでもご参考になれば幸いです。

① 新卒時や研究員時代について

私は私立大学の系属校に中学から入学し、そのまま大学にエスカレーター式で進学した人間です。そのため高校受験や大学受験という闘争らしい闘争を経験しておらず、性格的に大変のんびり育ってしまいました。学力面でも大変のんびり育ったため、運良く第一志望の理工学部 物理学科に進学したものの、大学受験をなぎ倒してきた猛者達の高いレベルについていくのに精一杯でした。

ともあれ物理学自体は大変面白く、大学生時代は将来的に研究者になることを念頭に、「物理学という知的好奇心を満たせる学問を活かし、世の人々のために何ができるのか」を漠然と模索していました。
研究室選びを目前に控えた大学3年生のある日、悪友に核融合に関する論文を紹介されました。核融合プラズマが理論的に自己組織化(自発的に核融合を起こしやすい構造に変化)するという論文です。これだ!と思いました。

著者が核融合理論の世界的な権威であることも知り、薫陶を受けるために先生の研究室に進むことにしました。残念ながら私の入学直前に先生は急逝されてしまいましたが、勝手に遺志を継いで、核融合プラズマの自己組織化の研究で博士号を取得しました。

学位取得後は、核融合・原子力の研究機関や大学の研究員として、ほとんどの研究人生をものづくり分野に捧げてきました。

② 前職での業務経験、体得したスキル

これまで公的研究機関や大学において、スーパーコンピュータを用いた大規模シミュレーションやシミュレーションプログラムの高速化、大規模データ解析や機械学習の応用などに従事してきました。

体得したスキルとしては、
・Fortran, C, C++, python などを用いたソフトウェア開発経験 (13年)
・スカラー型/ベクトル型スーパーコンピュータ活用経験 (11年)
・大規模データ解析技術 (9年)
・オープンソースソフトウェア開発経験 (9年)
・OpenMPとMPI によるハイブリッド並列化技術(6年)
などです。

③ 転職するに至ったきっかけ

大学でのものづくり分野(自動車や船舶、航空機)の共同研究を通じて、実際にリアルなデータを持っている現場の強みを体験し、企業で働くことに次第に魅力を感じていきました。その時、開発していたシミュレーションコードの高速化技術や、使用するコンピュータのアーキテクチャがそのまま丸ごと金融シミュレーションコードの高速化に使えるとのことで声がかかり、証券会社のクオンツとして働くことになりました。

クオンツは証券会社の頭脳部隊であることから、周囲の(特に数理分野における)知的水準が極めて高く、話をしていて楽しかったし、技術的にも切磋琢磨できる環境にありました。また、人間的にも温厚な方々が多く、職場環境としては非常に居心地が良かったです。仕事内容も、金融シミュレーションコードの高速化を通じて社内トレーダーの方々に感謝され、一定のやりがいを感じていました。
しかし、大学で多くのものづくり企業と共同研究をしてきた経験から、もっと世の中の多くの人々に貢献することができれば、とたまに思うことがありました。

そんな中、業務の一環で金融シミュレーションコードのボトルネック(最も計算時間がかかる場所)の高速化に、機械学習を取り入れるというアイデアを試すことになりました。当初は「最近流行しているAIの流れに乗ってみるか」程度の極めて安直な発想ではあったものの、運良く良好な結果が得られました。その研究を発展させて金融のジャーナルに論文を投稿したところ『AI分野でTOP5のダウンロード数』という反響を得ることができました。

AIの威力や将来性を強く認識したことで、これまで長い時間を過ごしてきたものづくり分野において、より多くの人々の役に立ち、生きている実感を得たいという思いが次第に強くなってしまいました。そこで転職して1年弱ではありましたが、転職の可能性を探り、インターネットを通じてエリートネットワーク様にご相談させて頂くことになりました。

④ 転職の軸、こだわりを捨てた点など

これまで自分が培ってきた技術や知見(私の場合はAIやシミュレーション技術になります)を活かして「世の中に貢献している実感を得たい」という点だけは譲れない軸でした。また、一家の大黒柱(小黒柱?)の立場としては、収入や勤務地も大事な観点ではありました。
これまでは大企業志向が強く、企業のネームバリューだけで求人内容を吟味せず安易に応募することもありましたが、転職活動を進める上で今回はその姿勢を改め、自らの軸に合致していればベンチャーやスタートアップの企業様にも積極的に応募させて頂きました。

転職にあたり、転職エージェントへ複数登録し、前職の転職時にお世話になったエージェントの方々にも再度連絡を取り、色々とご相談しました。転職活動を本格的に開始してから数か月が過ぎ、なかなか内定が出ない中、梨本さんにご相談する機会に恵まれたのはこの時です。

梨本さんにお会いした日を境に、私の転職活動は極めて明確に好転しました。梨本さんのご助言は、全て目から鱗でした。例えば、他社でいくつかの企業の選考が進みつつあった中で、梨本さんははっきりと、その中で内定が出れば行くべき企業様とそうでない企業様とを、一つ一つ根拠を提示しつつご助言して下さいました。他社案件にも関わらず、太鼓判を押される企業様もありました。

これまで自社案件だけを推すエージェントがほとんどの中で、初対面で人間的に非常に信頼できる方だと感じました。その後も密にお電話や対面で多角的かつ徹底的なカウンセリングを受け、その都度「本当に私の人生を真剣に考えて下さっているのだ」と感動しました。

⑤ 転職活動を通じて、気づいた点や反省点

日系大企業の中には、年齢や転職回数を理由に書類選考で落とされてしまうこともありました。話には聞いていたものの、実際に体験すると気落ちしました。また、書類選考では通るのですが、面接で落とされることも多々ありました。

正直なところ、面接対策が良くわからなかったということもあり、面接のシミュレーションは総じて自己流になり、ほとんどぶっつけ本番に近い形で対応していました。全く話がかみ合わず、最終面接が15分で切り上げられることもありました。「話せばわかる」という考えが根底にあったのですが、つくづく甘い考えだったと痛感しています。

梨本さんに出会ってからは、それらが一変しました。面接対策をきちんとご指導頂いたおかげで、驚く程、面接で落とされることが全くなくなりました。HPやIR情報はもちろん、社長の経歴や主要株主の構成などを時間かけて確認することを指導されたのですが、梨本さんを信じてその通りに実行したことが結果に繋がったのだと思います。

転職活動を通じての反省点は多いのですが、私の場合、前職ではこれまで培ってきた技術や知見が100%に近い形で活きるという理由で畑違いの業界に転職しました。しかし、1年足らずで違和感を覚えることになってしまいました。転職活動を進める上で自身が譲れない点は何か、ということを深く理解しておくのは最も大事であったと猛省しています。もちろん、自身が譲れない点について考えることの重要性についても、梨本さんから頂いたご助言の一つです。

⑥ 次の職場に賭ける意気込みや覚悟

次にお世話になる企業は、全世界で数十万人の従業員を抱える大企業であり、その中で新規事業としてAIを活用したリーダー職を拝命することになりました。第一志望だったので、本当に嬉しいです。学生時代には研究室へ寝袋を持ち込んで研究をしていました。今回頂いたテーマは大変チャレンジングであり、今回は久しぶりにその決意で臨む覚悟です。

私が今までお会いしたエージェントの方で、間違いなくナンバーワンは梨本さんです。梨本さんなくしては、私の転職活動は有り得ませんでした。(梨本さんに出会えなかったことを想像すると、今でも身震いがします。)

梨本さん、この度は大変多くのご指導を頂きまして、誠にありがとうございました。また、エリートネットワーク社の皆様にも色々とご尽力頂いたことと存じます。
ご支援頂きまして誠にありがとうございました。

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