博士・ポスドクの『転職体験記』
30代ポスドク、アカデミアから民間シンクタンクへ
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- 前職
- 国立大学 工学研究院 学術研究員
- 現職
- 日系 名門シンクタンク 科学技術分野のコンサルタント
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- 会田 新太郎 氏 / 30歳
- 私立高校 卒
国立大学 工学部 卒
国立大学 工学研究院 修士課程 修了
国立大学 工学研究院 博士課程 修了
TOEFL ITP 580点
TOEIC 880点
解析ツール:Fortran、Python、Voxler、Paraview
使用可能ツール:Jw_cad、Fusion360
1. 新卒での就活の時の志や志向
研究と教育をキーワードに就活を行った。研究の問題設定の自由度が高く、かつ教育にも携われるという観点から、就職希望先を高等教育機関とした。
2. 担当業務、実務経験、体得したスキル
研究と教育業務に従事。
徹底した事前調査、具体的な研究計画の立案、将来性の検討のもと、研究代表者としてゼロから研究プロジェクトを立ち上げた。
具体的には、国内・国際会議での討論および海外文献の徹底的な調査により先行研究の背景と問題点を洗い出し、この棚卸しをもとに解決すべき点、その解決手法、研究が完成した時に予想されるインパクトおよび正体の見通しを提案した。
この提案によって外部資金を獲得し、自身で課題解決に向けて研究に取り組んだ。
実験装置の設計・発注・組立、実験計測、数値計算コード開発と数値計算の実施、理論解析、データ解析(時系列解析、多変量解析、画像解析)、学術雑誌論文の執筆(和文、英文)、学会発表を行った。
教育業務では、講義資料の作成と講義の実施、オープンキャンパスや学校祭での一般参加者(幼児から高齢者まで)向けの実演を担当した。
その結果、難解な専門分野を専門外の人に噛み砕いて伝える能力が磨かれた。
3. 転職するに至った背景や理由・きっかけ
新しい先端技術を提案・実装して社会に貢献するため。
これまで問題を自由に設定して研究に取り組み、獲得した成果をもとに学会で討論を交わすことで、新しい先端技術の可能性、いわばタネを考案することが出来た。
一方で、新しい先端技術を社会に提案・実装する業務に携わることが自分の場合は出来ず、これは高等教育機関の役割では無いと考え、自身のやりがいを求めて民間企業へ転職した。
4. こだわり、軸、逆に捨てたこだわり
調査研究、提案、解析業務に携われることにこだわった。
アカデミアの世界では自身の理想とするキャリアパスを描けないと判断して、この世界で中途半端に生きることを辞めた。
5. 転職活動を通じて気づいた点、学んだ点、反省点
全ての経験(やりたくないこと、辛いことも含めて)は自身の肥やしになると常に考えて生きている。この思いのもと、これまでの担当業務や実務経験で一切手抜きをせず、貪欲にスキルを体得してきた。転職活動時の面接では体得してきたスキルはもちろんであるが、このマインドが最も評価されたように感じた。
これから転職活動をされる方々へのささやかなメッセージとして、現職に対する何かしらの不満(この業務つまらないなあ、こんな仕事やりたくないのになあ、上司や同僚が鬱陶しいなあ等)が転職のきっかけだとしても、そのような出来事を通して得た経験が転職先で活かされることを楽しみに、自身の肥やしにして欲しいと思う。
6. 次の職場での意気込や覚悟
自身の強みを武器に企業の売上アップに貢献したい。
これまで通り困難や逆境を楽しみ、自身の成長の糧にしたい。新しい自分に出会うことが楽しみである。
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