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博士・ポスドクの『転職体験記』

ネットサービス会社に勤務しながら、博士号(情報科学)を取得した30歳プロダクトマネージャー。バーチャルから飛び出し、リアルに挑戦したく自動車メーカーの商品企画部へ

Information
  • 転職体験記
    • 棟方 俊一 氏 / 30歳
    • 地方県立高校 卒
      東北大学工学部 情報知能システム総合学科 卒
      東北大学大学院 情報科学研究科 システム情報科学専攻 修士課程 修了
      東北大学大学院 情報科学研究科 システム情報科学専攻 博士課程 修了
      博士(情報科学)
      博士論文:人間の行動・興味関心を推測し、人が快適・効率的に作業できる空間を自動的に再構築するシステムの研究
      ※国際学会においてBest Paper Award受賞

①修士課程修了後、博士課程に進みながらネットサービス企業に入社

私は学生時代、情報科学を専攻し、その中でも HCI( Human Computer Interaction:人とコンピュータの関係性 )分野の研究に取り組んでいました。
「技術そのもの」よりも、「技術が人の行動や体験をどう変えるのか」に強い関心があり、研究を通じて “ 社会や生活に近いところで価値を生む技術 ” に魅力を感じるようになりました。修士課程修了後は、ToC(一般消費者向け)サービスを展開するプライム上場のネットサービス企業に新卒入社しました。一方で、研究そのものにも大きなやりがいを感じていたため、会社員として働きながら、博士課程へ進学する選択をしました。社会に近いところで貢献したいという思いや、収入の問題もあったため、研究は修士までと思っていましたが、会社の制度的に両立可能であることが分かったため、挑戦することを決めました。

私は物事に取り組む際に、「なぜそれをやるのか」 を非常に大切にしています。その納得感が、自分自身のモチベーションやパフォーマンスに直結することを、これまでの経験から強く実感していたからです。そのため、新卒就職時の会社選びでも、企業やサービスのビジョンを重視していました。インターンを含めるとIT業界以外の企業も複数検討しましたが、最終的に本選考を受けたのは、新卒で入社した1社のみでした。

②入社したネットサービス企業でのプロダクトマネージャー(PdM) としての業務

入社後は、ToCサービスを運営する部署に配属され、プロダクトマネージャー(PdM) として業務に携わりました。配属当時、サービスはリリースから1年も経っておらず、組織体制もまだ固まっていないフェーズだったため、担当領域は非常に幅広いものでした。

経験業務は、プロダクト開発(バックログ考案、要件整理、仕様書作成、プロジェクトマネジメント、QAなど)、キャンペーン運用(サービス内で販売しているガチャの商品企画・販促施策やサービス内通貨の販促施策など)、分析(Bigqueryやfirebaseを用いた定量分析やアンケートやインタビュー調査など)、組織マネジメントなど、プロダクト開発やキャンペーン、コンテンツ運用の上流から下流までの工程を一通り経験させていただきました。
入社3年目からはマネージャーに就任し、特に上流の部分や組織マネジメントに比重を置いて活動をしていました。

③さらに成長できる機会を求め転職を決断

プロダクトマネージャーとして約7年間同じサービスに関わる中で、「このサービスの中で自分が挑戦できる余地が、徐々に少なくなってきた」 と感じるようになったことが、転職を考えるきっかけでした。
サービス自体は順調に成長し、会社の中でも安定して利益を生み出す存在になりました。それは非常に喜ばしいことでしたが、一方で、利益創出がこれまで以上に重要視される中で、施策を慎重に進めるようになったり、利益創出のためにコストカットにより工数をかけるようになったりと、挑戦的な取り組みが少なくなってきたのも事実でした。

その中で私は、これまでの実務経験を踏まえてより挑戦的な環境に身を置きつつ、自分の力をより活かせたり、さらに大きく成長できるような機会を求め、転職しようという決断に至りました。
また、これまで関わってきたプロダクトはデジタル空間に閉じたものでしたが、 「より実生活に近い、物理世界とつながるプロダクトに関わりたい」 という個人的な関心も高まっていたので、そういう機会が得られる会社に転職したいという思いがありました。

④異業界にも視野を広げた転職活動

今回の転職では様々な企業を知る機会をいただきました。その過程において自分の価値観をアップデートしたり、これまで大切にしていたものの重要性を再確認できたと感じています。

自分がこれまでのこだわりの中で捨てた点は、「業界をIT中心に考える」ということです。スピードがとても早い業界ということで、IT業界から離れると、そのスピードにおいていかれるのではないかという恐怖心や懸念のようなものがありました。
なので、転職を始めて最初の頃はIT業界を中心に見ていたと思います。しかし転職活動を行う過程で、IT業界以外でも本腰を入れてITの活用に取り組んでいこうとしている会社があることに気づきました。結果的に私は自動車業界への転職を決めたのですが、転職を開始した当時は選択肢に入っていないどころか、「変化が遅い」「ITとは距離がある」という先入観を持っており、自分の志向とは合わない業界だと考えていました。

譲れない点は、挑戦的な環境かどうかと収入面です。
挑戦的な環境を欲して転職することを決断したので、転職後の会社で挑戦できる機会が見込めそうかという点は最重要視しました。

また、今回私はIT業界から別の業界に転職を決めたのですが、業界によっては収入が減る可能性があると思っていました。しかし、自分の生活のこともあるので、これまで以上の給与をいただける待遇であることも重要視しました。この点に関して、大企業になると年功序列で給与が上がっていくイメージがあったのですが、実際は報酬制度を見直している企業もあり、良い意味で認識とずれていることがわかりました。

⑤転職活動を通じて気づいたこと

各企業の情報を多く取り入れるということをもっと早いタイミングからやっておけばよかったという反省があります。結果論でしかないので、気づいたタイミングが一番早いといえばそうなのですが、例えば自分が感じたIT活用への印象に関して、もう一年くらい早く自動車業界に出会っていたとしても、同じような印象を抱いていたような気がしています。実際に転職するかどうかはまた別の話ではありますが、他の業界がどのような状況なのかということについては、適宜情報を入れて自分の認識をアップデートしたほうが、いざ転職したいとなった時に選択肢を広く持って検討できるかなと思いました。
実際、自分は今回の転職活動の一年前も転職活動をしていたのですが、その時はエージェント活用も積極的にやっていたわけではなく、情報収集が甘かったと思っています。当時は約半年間ほど転職活動をしていたのですが、今回は三か月間ほどの転職活動だったにも拘わらず、以前より多くの情報を得て進められたと思っています。

また、転職開始時に自分の中で想定していたこと(こんな企業がいいなといった考え)は転職活動中にアップデートされるということにも気づかされました。考えてみれば当たり前なのですが、特に自分がこれまで関わってきた業界や職種以外の方の話を聞くと自分のイメージがアップデートされるので、それも踏まえると考えが変わることがよくあるなと思いました。

ただこれは転職活動初期時点での検討が甘いという話ではなく、転職活動を進めたからこそ得られる情報があって、それも踏まえて判断できたほうがいいという話なので、もっと気軽に転職活動を行ってもいいのかなと思いました。(転職エージェント側からするとあまり嬉しくないかもですが、すぐに転職する気がなくても情報収集のためにやってみるという目的でエージェントを活用してもいいんじゃないかとは個人的には思います(笑))

⑥自動車業界への挑戦を前にして

挑戦的な環境を求めて転職活動をしたことは先述の通りですが、それはそれとして、初めての転職で違う業界にいくということに不安があるのも事実です。正直、最終的にどの企業に転職するかを判断する時はとても悩みましたし、決めたあとも若干の不安はあります。

ただ、不安に思うということは自分に足りていない何かを感じているということでもあり、そういう意味では成長できるような環境にこれから身を置けるということでもあると思っているので、わくわくしています。

過去、社会人と博士過程を同時に進めることを決断しましたが、この時も似たような心境になりました。その時は「 自分の中で納得して進む 」ということを大事にしていたのですが、これは何か辛いことやきついことがあった時も自分の中に意味をもって続けられると思ったからです。実際は簡単には進まなかったことの方が多かったのですが、自分の中で深く納得していたからこそ博士課程を取得するまでの三年間を充実して過ごせたと思っています。

今回の転職でも納得して決めることができました。なので、あとは自分がやるだけだと思っています。これまでの実務経験を活かせることもあるとは思いますが、業務内容や組織など異なるものの方が多いので、学びながら実践していくことも少なくないと思います。ただその一つ一つを楽しみ、自動車業界におけるIT活用の推進、ひいては日本における基幹産業としての社会的な責任を果たすべく、日本経済全体の盛り上げにつなげていけるように頑張りたいと思います。

転職体験記に記載されている氏名は、ご本人のご要望により仮名を使用している場合があります。

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