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博士・ポスドクの『転職体験記』

地球惑星科学分野のポスドク研究員、子供を授かり家族のために安定を求め人材サービス会社のデータサイエンティストに

Information
  • 転職体験記
    • 山岡 英二郎 氏 / 36歳
    • 埼玉県立 川越高等学校 普通科 卒
      東京大学 理学部 地球惑星物理学科 卒
      東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 修士課程 修了
      東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 博士課程 修了
      博士(科学)
      言語:Fortran, MATLAB, Python, R
      数値モデル:大気化学モデル、放射伝達モデル、微物理(エアロゾル)モデル
      データ分析法:周波数解析、誤差解析、主成分分析、教師あり/なしクラスタリング

① これまでの職歴

私は小さい頃から学者になることに憧れがあり、また高校時代に読んだカール・セーガン博士(アメリカの著名な惑星科学者)の著書に感銘を受けて地球惑星科学の道を志すようになりました。祖父と父が博士だったということもあり、家庭内で研究者を目指すのは至極当然という雰囲気もありました。

地球惑星科学分野で博士号を取得した後、指導教官の勧めで惑星探査を推進する研究室にポスドク研究員として採用され、機械学習などの統計解析を用いた観測データの分析に従事しました。因みにちょうどこの頃、データサイエンスのブームが訪れており、統計数理の専門家や企業所属のデータサイエンティストと協働するなど、様々な人材と触れ合うことでデータサイエンスの可能性にいち早く気付けたことは、後の転職活動において大きな助けとなりました。

その後、任期満了となる前に上司から別のポストを紹介頂き、私立大学の研究センターでポスドク研究員として採用されました。そこでは惑星探査機を開発するプロジェクトを推進しており、私は搭載機器の一つを担当する若手のサブリーダー的な役割を与えられ、開発計画の策定やメーカーとの調整、試験データの測定や解析などを担当しました。惑星探査に関わることは私の子どもの頃からの夢だったので、非常にやりがいのある仕事でした。数百億円が投入される国家プロジェクトだったこともあって普段の業務で関わるチームの人数は多く、それに伴って打ち合わせも増えましたが、プロジェクト・マネジメントやタスク管理について実務ベースで貴重な経験を積むことができました。

② 転職を決断した背景や理由・きっかけ

このように私は地球惑星科学分野で一貫したキャリアを積んできましたが、ポスドク(任期付き)のポジションではなく、テニュアトラック(任期無し)のポジションにつけないか模索しておりました。惑星科学、特に探査機開発の分野は常に人手不足だったこともあり、ポスドクであればどこかしらで職にありつける状況でしたが、テニュアのポジションは激戦なので自分の能力ではテニュアになれる自信が全くありませんでした。実際に、私よりはるかに業績を上げている人がポスドクに甘んじている場面を多々見てきました。

そうした中、結婚して子供を授かったことが転職を後押しする大きな要因となりました。ポスドクだと数年おきに所属が変わるので、その度に生活環境が変わります。独身や夫婦二人であればあまり問題ないかもしれませんが、育児のことを考えると腰を落ち着けて仕事ができるポジションが良いと考えるようになりました。
さらに、物価の上昇が続いているにも関わらず、給与が据え置きとなっていることにも懸念を抱いておりました。職務に関しては全く不満がなく、自分が成長できる環境であり、周囲もいい人ばかりでした。しかし、家庭の事情、そして自分の年齢も考慮して、民間企業も含めてより安定したポジションで仕事がしたいと考えました。

これまでは自分の興味を優先してやりたい仕事を追求してきましたが、惑星探査はすぐに実社会に成果を還元できるような分野ではなかったため、子どものためにも「次世代の人たちがより良い生活を送れるように社会を改善していく」ことに自分のエネルギーを使ったほうがいいのでは?と考えたのも一因です。
研究者を辞めるという決断について、今までこの分野を専門として博士まで取得したので、後ろ髪を引かれないわけではありませんでした。しかし、人生のライフステージに合わせて人生の目標も変わってきますので、自分自身でちゃんと今後のキャリアをどうしていきたいのか、しっかり整理をつけるようにしました。

③ エリートネットワークさんとの出会い

最初に転職を意識するようになったのは、任期が切れる約2年前でした。この頃はまだ任期の残りもあったため、まずは自分が民間企業に行った場合、どういったポジションがあるのか、どの業界が向いていそうか、自分の市場価値はどの程度あるのか、といったことを調査することから始めようと考えました。
世の中には求人情報があふれていますが、自分は就活をした経験がなかったため、ひとまず転職エージェントに相談してみました。そこで理系院生やポスドクの就職をメインに取り扱っている人材紹介会社へ相談しに行きました。
面談はリモートで行われ、自分の履歴書や職務経歴書をもとに、親身に面談して頂きましたが、面談後に送られてきた求人の案件があまりピンとくるレベルのものではなく、また件数もあまり多くありませんでした(6-7社程度)。自分の市場価値はこの程度しかないのか、と少しがっかりしてしまい、またこの程度の求人であればわざわざ転職するほどでもないと思ったため、具体的に応募するまでには至りませんでした。その人材会社からはその後も自動配信メールが定期的に送られてきて来ていましたが、魅力的な案件はあまりなかったため、自分の中では転職活動を休止してしまいました。(その会社自体が私に合わなかったというよりは、担当していただいたエージェントさんの経験不足が大きかったのだと思います。)

その後、任期の残りがあと1年程度というタイミングになって、次のポジションをどうするか、再び具体的に考え始める時期になってきました。私を雇用していたプロジェクト側では契約を延長したいという意向があったようですが、引き続きポスドクでの採用を考えているという情報があったため、自分の中では別のポジションを探す決心はついていました。1年前に他社へ相談に行って、あまり良い求人を紹介していただけなかった経験から、まずは自分で探してみようと思い、JREC-IN(国立の機関である科学技術振興機構によって運営されている、研究職の求人情報サイト)を用いて研究職のポジションを中心に探していました。

その中で、偶然企業での研究職のポジションが目に留まりました。自分の求めている待遇・働き方とも合っていたため、自分で直接応募しようと考え、必要書類を準備していました。
しかし、妻に相談したところ、転職エージェントを通じて応募した方が良いと言われ、このポジションでの応募を斡旋してくれるエージェントを探すことにしました。その中で、(株)エリートネットワークさんがポスドクの転職も支援していること、また自分と非常に近い年齢や経歴を持ったこのお方の『転職体験記』を読んだことから、エリートネットワークさんに相談することを決めました。

④ 初回面談

当初は、他社での経験から、私自身、転職エージェントにはあまり期待しておりませんでした。しかし初回面談で、転職カウンセラーの保坂さんと高橋さんにご相談にのって頂き、家庭の事情や自分が目指す働き方、今後どのような人生を送っていきたいかなども含めて、もはや転職エージェントの枠すら超えて人生論に発展するような深い話をさせて頂きました。人によっては、そのような個人の事情にまで踏み込まれることを嫌う人もいるかもしれませんが、私にとっては目から鱗のような体験で、このエージェントさんは求職者を単に転職させて終わりではなく、その後も会社にちゃんと定着するか、持続的に働いていけるか、といったような視点を持っていると感じました。

また高橋さんからは「あなたの経験とスキルで大手企業の給与テーブルに当てはめると、○○~○○円の年収になると思われます」と仰って頂き、その金額は自分が希望していた数字をはるかに上回る額だっため、正直驚きました(そして実際に、その数字に近い年収で内定オファーを頂きました)。面談後に保坂さんから求人候補リストを送って頂きましたが、そのほとんどが民間企業に疎い自分でも知っているような大手企業ばかりで、しかも30件近くも送って頂いたので、他社との対応の違いに大変驚きました。その求人リストの中から応募できそうな企業を検討するところから、私の転職活動が実質的にスタートしました(もちろん、初回面談の前段階で履歴書や職務経歴書はある程度準備しておりましたが)。

転職するにあたって、企業に求める条件として以下の点を特に重視しました。
・家庭(育児)と両立した働き方ができるか?(転勤がないか、リモートワークは可能か、急な出張や打合せが入らないかなど)
・自分のスキルを活かせるか、今後のスキルアップ、キャリアアップにつながる職務か?
・社会貢献につながるか?
30代半ばとなると、企業側は即戦力になるか否かという基準で候補者を見ていきますので、転職のハードルは上がりますが、私の方でも企業側には上記のような比較的厳しい基準を設けておりました。幸いエリートネットワークさんは私の希望条件を満たすような求人を豊富に抱えており、持ち駒不足になるという心配は全くありませんでした。

⑤ 選考から内定まで・面接対策

こうして始まった転職活動ですが、決して順風満帆というわけではありませんでした。JREC-INで自分で見つけてきた求人に加えて、地球惑星科学分野の研究者という経歴を活かし、まずは大手シンクタンクの気候変動分野や航空宇宙分野に応募してみましたが、書類選考で落とされるという状況が続きました。そこで保坂さんと相談した上で、もう少し業界を広げて、またデータ分析のスキルを活かして、データサイエンティストの求人を中心に応募してみることにしました。
さらに、これまでは長大な業績リストを含め10ページにも及んでいた職務経歴書をもっとすっきりさせて、よりデータ分析のスキルをアピールできるように修正しました(ただし、職務経歴の棚卸しの部分は細かい点も漏らさず列挙するようにしました)。これによって、いくつかの会社の書類選考を通過できるようになりました。

それでも総合的に見ると、私の書類通過率は決して高いものではありませんでした。当時35歳で民間勤めの経験がなかった自分にとっては、事前にある程度予想はしていましたが、転職活動の厳しさを改めて思い知りました(ただ私は、そもそも新卒でも入るのが難しい大手有名企業を中心に受けていたので、それも書類通過率が悪かった原因の一つでした)。書類で落ちる状況が続いた頃には、妻から別のエージェントも併用したらどうか、などと言われましたが、私自身は他のエージェントを使う気は一切なく、最後までエリートネットワークさんにお願いしようという決意を固めておりました。なぜならば、エリートネットワークさんのこれまでの実績を鑑みると、ある程度人柄や実績を見込んだ求職者でなければ、そもそも企業に応募させてもらうことすらできないだろうと思っていたからです。カウンセリングを通じて、保坂さんや高橋さんの厳しいお眼鏡にかなったということは、必ずどこかの企業とマッチングするだろうという確信がありました。

数社の書類選考を通過した後は面接となります。幸いエリートネットワークさんのHPには面接対策の素晴らしいスクリプトがありましたので、それを参考にしつつ、自分オリジナルの原稿を練り上げました。そして、毎回の面接前までに最低でも10回は原稿を声に出して読む練習をしました。私は普段から、学会などで研究発表する際に同様の発表練習を自主的にしてきましたので、こういった面接練習は比較的お手の物でした。
企業研究に加えて、こういった練習を地道に積み重ねることで、面接自体は自信をもって臨むことができました。もちろん面接で落とされることもありましたが、そういった場合でも、不合格理由は面接時の受け答えではなく、業界未経験であることが理由だと保坂さんが先方に聞いて私にフィードバックしてくれたため、不合格をあまり気にすることなく、面接への対処方法については自信を持って取り組むことができました。

こういったこともあり、最終的に内定を頂いた大手人材会社の部長との最終面接では、コミュニケーション能力が抜群ですねと面接中に評価して頂きました。ちなみに、この会社の選考フローでは、最終面接前にカジュアル面談があったため、(本来あまり聞くべき質問ではないかもしれませんが)現場の社員さんに最終面接では誰が出てくるのか聞き、部長が面接官になるという情報を掴んでおりました。そこで私はその部長の名前で検索して、そのお方のインタビュー記事を片っ端から読み漁り、どういった経歴なのか、どういった考え方をする人なのか、どういった採用基準で人を観るのか、などといったことを事前に研究しました(幸いその会社は自社メディアを持っていたため、情報はふんだんにありました)。

また、私は地方の非常に辺鄙な地域にある、使用されていなかった天文台の復旧プロジェクトに関わったことがあり、そのことを職務経歴書に1行だけ盛り込みました。結果、面接官の部長さんがたまたまその地方の出身者だったこともあり、面接中に会話が盛り上がるという一幕もありました。一見無関係のどんな小さな事柄でも、経験したことは全てプラスになる、ということを強く実感した瞬間でした。

最終的にその会社の選考を通過し、内定後のオファー面談では、私が予想していた以上の待遇と肩書を頂くことができ、また働き方も自分の希望通りの条件でしたので、内定を承諾してめでたく私の転職活動は終了することとなりました。紆余曲折はありましたが、10数社に応募して、エリートネットワークさんでの初回面談から約2ヶ月で内定が出ましたので、非常に満足のいく転職活動ができたと考えております。

⑥ 今後の抱負

人材サービス業界は一見すると、私のこれまでの専門分野とは全く違う領域ですが、実は自分の中では非常に志望度の高い業界でした。というのも私の原体験として、博士人材や研究者の雇用環境の改善(ポスドク問題や雇止め問題など)について、自分自身がこの問題の当事者として常に大きな社会課題として認識していたからです。現実に今の日本では研究者(特に若手研究者)の雇用環境の悪化によって、アカデミアの道を断念したり、海外に優秀な人材が流出するといった問題が生じています。
このため、国全体での研究力は年々低下していく一方です。これは研究者本人だけでなく、国や企業も含めた社会全体で対処していくべき重要課題です。

人材業界のミッションとして、「転職のハードルを下げ、雇用を流動化させることで、社会全体で人材の適材配置を促進し、社会経済を成長させる」という理念があると認識しております。研究者の雇用問題については、すぐに解決策を見いだせるような簡単な問題ではありませんが、「いつかは解決すべき問題」として私自身が人材業界を志望する大きな理由となりました。そしてここに書いたことは、人材会社の面接を受けた際に実際に私が志望動機として語った内容であり、面接官の方々にも大いに納得して頂けました。

内定を頂いた会社の最終面接官となった部長さんに、私のどういった点を評価して採用してくれたのかお聞きしました。
それによると
・雇用問題の改善に対する固い意志を感じた
・コミュニケーション能力が抜群
・変革の激しいデータサイエンス領域に飛び込んで、勉強し続けていくという強い成長マインドを感じた
点を挙げて頂きました。
実際、私自身、転職活動と並行しながら、データサイエンスの書籍を何冊も購入し暇があれば勉強し続けていましたので、そういった姿勢は今後も続けていくつもりです。入社後はいきなりある程度の肩書を与えられる予定ですが、心は新卒のつもりで(実際、民間企業でのビジネス経験もないので)、何事も貪欲に吸収して、キャリアアップを図っていく覚悟です。

最後に、この度の転職活動を通じて、そしてエリートネットワークさんとのやり取りを通じて、人材業界が求職者の役に立っていることを深く実感することができました。私をご支援頂きました保坂さん、高橋さんには改めて感謝申し上げます。
今後は私自身も人材業界の一員として(データサイエンティスト職のため、求職者の方と直接やり取りするわけではありませんが)、少しでも転職を希望される方々のお力になれたらいいなと考えております。そして、この体験記が民間企業への転職を考えている有期雇用の研究者やポスドクの皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。

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